代表作『婉という女』生原稿展示中
企画展『兼山語録』に合わせ、常設展示室にて『婉という女』の生原稿を展示中です。
今日、安東家からお使者が見え、藩府からの赦免状を受けた。
お使者の帰ったあと、母上を中に、乳母、姉上、妹と相擁して泣いた。
『婉という女』の第一章「赦免ということ」の最初の一文です。
政争の犠牲となり四歳にして一族と共に幽囚の身となった野中兼山の娘・婉。四十年の後、赦免が彼女に訪れる……
無慙な政治の中にほろびゆく愛する男たちの姿を眺める他ない、哀しくも強い女のいのちを鮮麗に描いた、大原富枝の代表作『婉という女』の生原稿は、企画展『兼山語録』と同じ、平成30年7月8日(日)までの展示となっておりますので、この機会に是非、文学館にお越しください。